toggle
2023-05-01

最近の憲法審査会の状況と憲法改正の不要性

飯島 滋明(名古屋学院大学)

 2023年3月2日から4月27日まで、毎週木曜日の衆議院憲法審査会を傍聴してきました。

 4月27日、赤嶺政賢議員の沖縄の歴史と現状を訴えた証言には心を動かされた人も少なくなかったと思います。しかし赤嶺議員の発言中、石破茂議員はずっとスマホをいじくっていました。与党筆頭幹事の新藤義孝議員をはじめ、自民党の議員は「主権国家」を強調し、「国や国民を守るため」に憲法改正が必要だと言い続けてきました。「主権国家」「国や国民を守る」というのであれば、憲法改正より前に、不平等な内容の「日米地位協定」の改定を優先すべきでないでしょうか。

 4月20日の衆議院憲法審査会で吉田はるみ議員は「このところ、憲法審査会で私が感じるのは、自分たちの意見に沿わない発言を冷笑したり、ばかにする雰囲気」と指摘しています。全く同感です。憲法審査会で憲法改正論議をするのであれば、政治的立場を超えて憲法の内容等について議論を真剣に交わすことが必要です。しかし最近の憲法審査会では憲法論議とは無関係に他党を批判する場面を少なからず見かけます。とくに日本維新の会が立憲民主党や共産党を批判する場面を頻繁に目の当たりにするにつれ、憲法審査会を開く必要が本当にあるのか疑問を持ちます。

 そして憲法審査会を傍聴すればするほど、いま国民が憲法改正を必要としておらず、憲法改正が必要ないことも実感します。本当に市民のいのちとくらしを守るのであれば「憲法改正」でなく、「幸福追求権」(憲法13条)、「生存権」(憲法25条)、憲法の基本原理である「平和主義」を実現する政治こそ必要です。

関連記事