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2023-05-01

「安保法制=安保3文書体制」の中で迎える23年憲法記念日

小林 武(沖縄大学)

 今年の5月3日は、「新しい戦前」到来の現実とそれをわがこととしない国民意識との間に危険なギャップが生じている中で迎えます。安保3文書は、安保法制による集団的自衛権行使容認の上に敵基地攻撃能力の保有を載せた戦争体制をつくりました。昨年12月の閣議決定以降、それは着々と実行に移され、南西諸島をはじめとして要塞化が進行しています。

 それにもかかわらず、国民の起ち上がりは見られません。15年の安保法制の時と比べて極端です。国会の論議も低調で、現在実施されている統一地方選挙でも「戦争か平和か」は主要な争点となりえていないようです。平和憲法を基軸とした戦後民主主義を堅持する努力が継承されていない問題が、ここにおいて露呈したという思いがします。

 しかし、私たちは立ちどまっているわけにはいきません。憲法はけっして死滅してはおらず、改ざんされることなく存在している限り、法としての拘束力は健在です。憲法を掲げて3文書の撤回を求め、私たちの生命と尊厳を守り抜く努力をしたいと思います。

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