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2021-05-03

2021年5月3日憲法記念日に寄せて

飯島 滋明(名古屋学院大学教授)

 菅自公政権は「基本的人権の尊重」「平和主義」「国民主権」を掘り崩す「壊憲法案」をコロナ感染下の時期に成立させようとしている。デジタル監視法案は市民を監視することにつながり、「プライバシーの権利」「個人の尊厳」(憲法13条)を根底から脅かす危険がある。改正国立大学法人法案は、大学内の民主的意志決定を封じ込め、政府の意向を大学に浸透させる危険性がある点で「学問の自由」(憲法23条)を脅かす。重要土地利用調査・利用規制法案は、「軍事的合理性」を優先して「プライバシーの権利」(憲法13条)、「居住の自由」「営業の自由」(憲法22条)、「財産権」(憲法29条)を脅かす危険性がある。こうして菅自公政権は憲法理念を突き崩す「壊憲」法案をコロナ禍のどさくさに紛れて成立させようとしている。さらにはメディアでは「国民投票法」と言われる改正「改憲手続法」法案を今国会で強行採決しようとの動きも見せている。4月20日には自民党憲法改正推進本部の最高顧問に安倍晋三前首相を据えたことが報じられるなど、自民党は憲法改正を目指す政治をコロナ禍の中でも進めている。「Go to トラベル」やワクチン接種の遅れ、オリンピック開催など、まともなコロナ対策はしない・できないにもかかわらず、法的強制力によって市民を監視・統制・規制しようとする法案の成立を目指す菅自公政権。2021年10月21日までには必ず衆議院選挙が行われる。主権者として私たちは、こうした菅自公政権に対して選挙の場でも意志表示をする必要がある。

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